火星大接近についてよくいただく質問と回答をご紹介しています。

火星大接近について

残念ながら、そのようなことはありません。
大接近のときにも、あくまで「明るい点」として夜空でみえます。

火星が最も近づく7月31日でも、火星と地球は5800万キロも離れています。ですので、月のように形がみえる、ということもありません。少し難しい話をしますと、視直径で24.3秒です。夜空でいちばん大きな月の視直径が大体30分(1分=60秒)ですので、とても比較になりません。

ですが、夜空では−2等くらいと非常に明るく輝きますので、火星を見分けることは簡単にできるかと思います。

火星の動きですが、簡単にまとめますと、

  • 南東の空から出て南の空に上がり、南西へ沈んでいく。
  • いちばん高いところに上がる時刻は、7月末の大接近のタイミングで夜半頃、8月だとや半前(21〜22時頃)とだんだん早くなる。

となります。従って、火星をみるためには南の方向(もし広い範囲をカバーしたければ、南東から南西)をみることになります。時刻ですが、上記の通りで、7月の再接近時は夜半頃、8月ですと夜半前、9月ですと9時〜10時頃…とだんだん早くなっていきます。

詳しくは、このサイトの「火星の見え方」を参照してください。また、トップページにもその日の火星の見え方が出ていますので、ご覧になるとよいでしょう。

 

残念ながら(?)、そのようなことはありません。

火星は、半径が約3700キロメートル、月は半径が約1730キロメートルと、火星がだいたい月の2倍くらいの大きさです。
一方、両者の距離は、月が約38万キロメートルなのに対して、火星は今回の大接近でも約5800万キロメートルも離れています。2倍大きくても、距離ではまったくくらべものになりません。

ですので、火星大接近だからといって、月のようにまん丸い火星が夜空に浮かぶ、ということはありません。

 

結論から申し上げましょう。そのようなことはありません。

火星と地球との引力は、例えば月と地球の間の引力、あるいは太陽と地球の間の引力(それぞれ、潮汐と呼ばれる現象に影響を及ぼしています)に比べてもはるかに小さいものです。
また、そういった引力が地球に及ぼす影響については、よくわかっていないが限定的であるとされています。仮に影響があったとしても、火星が及ぼす引力は非常に小さいので、ほぼ問題がないレベルです。

従って、火星大接近によって世界に大災害が起きる、といったことはありません。逆に、世界や日本に起きている大災害が火星大接近によるものということもありません。

こういった言説は、例えば惑星直列(太陽系の惑星がほぼ一方向に並ぶ現象)などのときに繰り返し流れますが、まず「デマ」といって差し支えないレベルです。誤った情報に惑わされないように注意しましょう。

火星は太陽のまわりを、やや楕円の軌道で回っています(公転)。地球の公転軌道はかなり円に近いので、火星と地球の位置によって近さ・遠さが変わってきます。

火星が地球からいちばん遠くなるのは、

  • 火星が太陽からみて地球の反対側にいるとき(天文学では「合」といいます)
  • このタイミングで、火星が楕円の長い側にいるとき

となります。

火星の公転軌道は、短い側で2億660万キロメートル、長い側で2億4920万キロメートルです。一方、地球の公転軌道の平均距離は1億4960万キロです。したがって、いちばん遠くなるときは、1億4960万+2億4920万=3億9880万キロメートル、となります。
ほぼ4億キロメートルという遠い距離にあることになります。

(補足)上記で述べたように、地球の公転軌道も厳密には楕円です。従って、地球と火星がもっとも離れるときをさらに厳密に述べると、

  • 火星が太陽からみて地球の反対側にいるとき(天文学では「合」といいます)
  • このタイミングで、火星と地球それぞれが楕円の長い側にいるとき

となります。
地球の公転軌道は、太陽に近いときの半径が1億4710万キロメートル、遠いときの半径が1億5210万キロメートルです。これを計算に入れると、もっとも遠いときを厳密に計算すれば、1億5210万+2億4920万=4億130万キロメートル、となります。
もっともこの数値は、先ほどの「ほぼ4億キロメートル」とそう大きく変わるものではありません。

火星は地球に約2年2ヶ月毎に接近します。ですので、「火星接近」自体は2年おきくらいにあるとお考えください。
今回のような「大接近」が次に起きるのは、2035年になります。このとき、火星は5691万キロメートル(今回より少しだけ近い)まで近づきます。

また、2年後の2020年にも比較的火星が大きくみえます。これも「大接近」といってよいかも知れません。
同じく、2035年の2年前にあたる2033年の火星接近も、火星がかなり大きくみえる「大接近」になるかと思います。

 

火星と地球が近づく様子
火星と地球とが近づく様子(2016〜2035年)。火星と地球とは約2年に1回最接近するが、今回のように6000万キロを切る距離での最接近は、次回は2035年(17年先)となる。
図出典: 国立天文台、© NAOJ, https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2018/07-topics03.html
火星大接近時の視直径の比較
火星が大接近するときの視直径の比較。「6万年ぶり」と騒がれた2003年の火星大接近も、実はそこまでではないことがわかる。なお、近年最大の火星がみられるのは、いまから269年後の2287年。
出典: 国立天文台「次回以降の火星大接近はいつ?」, © NAOJ

今回の大接近の火星は、南東の空から南にかけて上がっていき、やがて南西の空に沈んでいくというのが基本的な動きです。また、6月以前は高さがかなり低いですが、徐々に高さが上がってきます。

従って、火星を見るのにおすすめな場所としては、以下のような場所が挙げられるでしょう。

  • 南側に視界が開けている(海、平地など)。
  • 南側に、工場や街といった明かりが少ない。
  • 南側に高い山などが連なっていない。

また、地表付近は人間活動によって排出される煙や地表付近の水蒸気などの影響もありますので、高く上がったタイミングで見るのがよいかと思います。

詳しくは、本サイト内「火星の見え方」をご参照ください。

いえ、そのようなことはありません。
前のFAQにも書きましたが、火星大接近とはいっても、形がみえるほど大きくなるわけではありませんから、大接近だからといって天体望遠鏡などをあわてて買い求める必要はありません。肉眼でも明るい火星が夜空に輝く姿を十分に楽しめます。

もちろん、天体望遠鏡があれば、より火星を楽しむことが可能です。火星の表面の模様などをよりはっきりとみることができますので、もし少しお金に余裕があり、より火星大接近を楽しみたいのであれば、天体望遠鏡の購入を考えるのもよいかと思います。
ただ、天体望遠鏡の操作にはある程度の習熟が必要ですし、火星大接近の時期(7月末)が近づくと品薄になることも考えられます。早めに決断して、天体望遠鏡の操作に慣れておくとよいでしょう。

また、天体望遠鏡を買わなくても、近くの科学館や公開天文台などで開催される観望会などに行き、見させてもらうというのも手です。

火星探査について

これまで多くの火星探査機が火星に向かい、現在も多くの火星探査機が探査を続けていますが、いまのところ、火星表面でうごめく生物といった、生命であるとはっきりとわかるような証拠をとらえたデータはありません。

火星には水が流れた跡なども発見されていますし、特に30数億年前には海もあったといった研究結果も出ています。過去に生命が存在していたとしてもおかしくないですし、現在ひょっとしたら、微生物のような生命が火星に存在している可能性もあります。しかし、探査の状況は上記の通りで、微生物のようなものも含め、生物の痕跡は未だ発見されていません。
従って、この質門へのお答えは「まだわかっていない」ということになると思われます。ひょっとすると、まだ探査されていない火星表面のどこか、あるいは火星の地下のような場所に、生命が息づいている可能性も考えられます。

ただ、生命が存在したとしても、微生物のようなものであると思われます。20世紀初頭にSF小説で描かれたような、タコのような形をした火星人といったものは存在しないでしょう。

残念ながら、2018年7月現在、火星には人類は1人も到達していません。

現在、有人火星探査に向けて各国で検討が進められています。
アメリカ・NASAが進めているロードマップ(全体的な工程表)では、有人火星探査を2035年頃に行うことを想定しています。
2035年というとまだまだ先のように思われるかも知れませんが、今年(2018年)から17年先です。今年生まれたお子さんが高校生の頃には、人類が火星に到着する様子をテレビの生中継でみることができるかも知れないのです。

この予想がもっと早まる可能性もあります。
アメリカの起業家で、宇宙ベンチャー企業「スペースX」の創業者であるイーロン・マスク氏は、2024年までに有人火星探査を実行したいと考えているようです。同社の大型ロケット「ファルコン・ヘビー」を使い、人間を送り込むことを考えているようです。
ただ、全体計画は若干遅れ気味のようです。

一方、有人火星探査には巨額の費用がかかります。また、宇宙飛行士の往復にもかなりの(片道だけで1年くらいの)時間がかかります。その間、宇宙飛行士の精神的・肉体的な健康を保つためには、まだ技術的な検討が必要でしょう。
これらの条件が満たされ、技術的にも経済的にも、場合によっては政治的にも探査が進められるようになるためには、もう少し時間がかかるかも知れませんが、編集長としては、2035年という目標は、少なくとも現時点では妥当だと考えています。

火星について

火星の特徴的な赤い色は、その表面にある酸化鉄(非常に平たくいってしまいますと「赤さび」)が原因です。
火星の砂に含まれている鉄分が、火星の表面にかつて存在した酸素(その起源は水の可能性が高いです)と結びついて、このような赤い色になっています。

なお、多くの天体は遠くからみても色を見分けることがほとんどできません。人間の目は弱い光の物体の色を識別することが苦手なためです(例えば土星や木星は、夜空では明るいですが、肉眼では同じ「白っぽい天体」に見えます)。
火星は地球に近く明るいため、表面の色が直接天体の色として見えているという珍しい例になっているのです。

18世紀以前には、他の天体にも人類のような生物(知的生命体)がいるという説は割と普通に唱えられていました。火星にも人類のような生き物(とりあえず以下「火星人」としましょう)がいるということもそれほど疑問なく受け入れられていたと考えられます。

この「火星の知的生命体(人類)」がクローズアップされたのは、19世紀になってからです。
1877年(この年も火星大接近でした)、イタリアの天文学者スキアパレッリが、火星表面全体を覆う模様を発見します。この模様を彼は「カナリ」(Canali。イタリア語では「水路」を意味する)と表現したのですが、それが誤って翻訳され、英語圏では「キャナル」(Canal。「運河」の意味)として伝わってしまいました。
「運河」となれば人工物ですから、火星人が作ったとしてもおかしくないということで、「火星に火星人が作った構造物がある」ということで、世界の関心が俄然高まります。

中でも、アメリカの天文家であり実業家でもあったパーシバル・ローウェルは、この火星の運河に魅入られ、火星表面を詳しく観測するために私費を投じて天文台まで作ってしまいました。そして、数多くの「運河」のスケッチを残しました。
現在ではこのような構造がないことはわかっているのですが、なぜローウェルが火星表面にそのような構造をみたのかはわかっていません。

また20世紀に入り、SFの世界でも火星人はブームとなります。1897年にH.G.ウェルズが書いた「宇宙戦争」は、火星人の地球侵略を描いたSFとしてブームになり、1938年にラジオドラマ化された際、火星人侵略のシーンがあまりにも真に迫っていたため、アメリカの聴取者がパニックを起こしてしまったという有名な事件があります。

このように、20世紀前半までは火星人は割と身近な存在だったのですが、その後探査機が火星に飛ぶようになって火星の詳細な写真やデータを地球に送ってくると、火星はとても知的生命が生存できるような環境ではないことがわかり、火星人ブームは収束しました。

これまで多くの火星探査機が火星に向かい、現在も多くの火星探査機が探査を続けていますが、いまのところ、火星表面でうごめく生物といった、生命であるとはっきりとわかるような証拠をとらえたデータはありません。

火星には水が流れた跡なども発見されていますし、特に30数億年前には海もあったといった研究結果も出ています。過去に生命が存在していたとしてもおかしくないですし、現在ひょっとしたら、微生物のような生命が火星に存在している可能性もあります。しかし、探査の状況は上記の通りで、微生物のようなものも含め、生物の痕跡は未だ発見されていません。
従って、この質門へのお答えは「まだわかっていない」ということになると思われます。ひょっとすると、まだ探査されていない火星表面のどこか、あるいは火星の地下のような場所に、生命が息づいている可能性も考えられます。

ただ、生命が存在したとしても、微生物のようなものであると思われます。20世紀初頭にSF小説で描かれたような、タコのような形をした火星人といったものは存在しないでしょう。

今回の火星大接近では、火星と地球が近づく距離は約5800万キロメートルです。
大接近とはいっても、火星と地球とはこのくらい離れています。

一方、地球から月までの平均距離は、約38万4000キロメートルです。
月が地球に近づくときに満月になることを俗に「スーパームーン」といいますが、このとき、月が地球のかなり近いところに来たときでも、月と地球の距離は大体35万キロメートルです。
今回の火星大接近の距離と、地球から月の平均距離をくらべると、およそ150倍もの違いがあることがわかります。「火星が地球に近づく」といっても、火星が遠いことには変わりありません。

なお、火星が地球に近づかないときには…ふだんどのくらいの距離にあるのでしょうか?
火星も地球も太陽の周りを回っていますが、その軌道の半径(長半径)の差を単純にくらべると、約1億2000万キロメートルとなります。
一方、火星が地球からみて太陽の反対側にいたときには、この約1億2000万キロメートルに、さらに地球の軌道の直径(約3億キロメートル)が足されますので、なんと約4億2000万キロメートルという値になります。

この値とくらべれば、今回の火星大接近で、地球に火星がぐんと近づいていることがわかるかと思います。

火星は太陽のまわりを、やや楕円の軌道で回っています(公転)。地球の公転軌道はかなり円に近いので、火星と地球の位置によって近さ・遠さが変わってきます。

火星が地球からいちばん遠くなるのは、

  • 火星が太陽からみて地球の反対側にいるとき(天文学では「合」といいます)
  • このタイミングで、火星が楕円の長い側にいるとき

となります。

火星の公転軌道は、短い側で2億660万キロメートル、長い側で2億4920万キロメートルです。一方、地球の公転軌道の平均距離は1億4960万キロです。したがって、いちばん遠くなるときは、1億4960万+2億4920万=3億9880万キロメートル、となります。
ほぼ4億キロメートルという遠い距離にあることになります。

(補足)上記で述べたように、地球の公転軌道も厳密には楕円です。従って、地球と火星がもっとも離れるときをさらに厳密に述べると、

  • 火星が太陽からみて地球の反対側にいるとき(天文学では「合」といいます)
  • このタイミングで、火星と地球それぞれが楕円の長い側にいるとき

となります。
地球の公転軌道は、太陽に近いときの半径が1億4710万キロメートル、遠いときの半径が1億5210万キロメートルです。これを計算に入れると、もっとも遠いときを厳密に計算すれば、1億5210万+2億4920万=4億130万キロメートル、となります。
もっともこの数値は、先ほどの「ほぼ4億キロメートル」とそう大きく変わるものではありません。